ピロリ菌検査・除去
ピロリ菌について
胃がんリスクを高めるとされています
ピロリ菌は正式には“ヘリコバクター・ピロリ菌”と言って、胃の粘膜に生息する細菌です。
ピロリ菌は胃潰瘍や十二指腸潰瘍、慢性胃炎の大きな原因となるだけでなく、胃がんのリスクを高めるとされています。
そのため、ピロリ菌の検査を実施して陽性だった場合には速やかな除菌が推奨されています。
なお、胃カメラ検査により胃潰瘍、十二指腸潰瘍、ピロリ菌感染胃炎と診断された場合、2回まで保険適用で除菌治療が受けられます。
ピロリ菌とABC検診
ABC検診とは胃がんリスクを評価するスクリーニング検査で(胃がんそのものを見つけ出す検査ではありません)、胃粘膜の萎縮の程度をチェックするペプシノーゲン検査(血液検査)と、ピロリ菌検査を組み合わせたものです。
血清ピロリ菌抗体価と血清ペプシノーゲン値を測定し、その組み合わせによりA~D群に分類されます。
ABC検診の分類
ピロリ菌の感染 | 胃粘膜の萎縮 | |
---|---|---|
A群 | なし | なし |
B群 | あり | なし |
C群 | あり | あり |
D群 | なし | あり |
ABC検診で陽性反応が出て検査を受ける方が増えています
最近ではこのABC検診で陽性反応が出たためにピロリ菌の検査をご希望になる方が増えています。
ABC検診の分類のうち、胃がんの発見率はB群で1000人に1人、C群で500人に1人、D群で80人に1人程度と言われていますので、B群・C群につきましては速やかな除菌が推奨されています。
除菌治療を受けたからといって安心はできません
ピロリ菌の除菌治療を受けたからといって、それで胃がんリスクが低減するわけではありません。
萎縮性胃炎と言って、これまでのピロリ菌の影響により胃粘膜の荒れは続いているので、徐々に回復はするものの、荒れている部分から胃がんが発生するリスクはありますので、ABC検診の結果がB群で除菌治療を受けた場合でも2~3年に1回の検査をおすすめします。
C群で、胃粘膜がある程度荒れてしまっている場合には1年に1回、そして胃が荒れていてピロリ菌が棲めない状態となっているD群も1年に1回の検査をおすすめします。
ピロリ菌の検査・除菌治療の流れ
STEP01
診断
血液検査を用いた抗体測定、または尿素呼気試験を行ってピロリ菌の感染の有無を確認します。
陽性反応が出た場合、除菌治療に移ります。
STEP02
除菌治療
1日2回、1週間続けて除菌薬を服用してピロリ菌の除菌をはかります。
STEP03
判定
除菌治療終了後、1ヶ月程度間隔を開けて尿素呼気試験を実施し、除菌治療が成功したかどうか判定します。
判定結果が陽性だった場合、2回目の除菌治療に移ります。
STEP04
除菌治療
(2回目)
1日2回、1週間続けて1回目の除菌治療とは違う除菌薬を服用します。
STEP05
判定
除菌治療終了後、1ヶ月程度間隔を開けて尿素呼気試験を実施し、除菌治療が成功したかどうか判定します。
判定結果が陽性だった場合、3回目の除菌治療を検討します(自費診療)。