執筆者
池田クリニック
院長池田 篤紀
資格・所属学会
- 医師、医学博士
- 日本医師会認定産業医
- 日本内科学会認定医・総合内科専門医・指導医
- 日本消化器病学会 消化器病専門医
- 日本肝臓学会 肝臓専門医
- 日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医
「最近、便がいつもより細くなった…」「細い便が続いている気がする」こうした変化は、誰でも一度は経験があるのではないでしょうか?
なんとなく不安なまま、過ぎてしまいがちな症状のひとつです。便の太さは腸の状態や食生活、生活習慣と関係していますが、場合によっては大腸の病気が原因であることもあります。
今回は「便が細くなる原因?」「受診はどんな時に必要?」といった疑問に、わかりやすくお答えします。
正常な便は一般的にバナナ状で適度な太さがあります。ところが、細くしなびたような便が続く。この状態を「便が細くなった」と表現します。
細い便が一時的に出ることは珍しくありませんが、長期間にわたって続く場合や明らかな変化がある場合には、何らかの体の変化、体からのメッセージが背景にある可能性があります。
便の太さは、腸の内腔(腸の通り道の太さ)や腸の動き、便の水分量などが影響します。通り道が狭くなると、出口で便が押しつぶされたように細くなりやすいのです。では、「それはなぜ?」にお答えしましょう。
便が細くなる場合、細くなるだけでなく以下のような症状を伴うことがあります。
こうした症状がある場合、単なる便の形状の変化だけでなく、腸の環境や病気が関係している可能性があります。
便が細くなる原因は、大きく分けて以下のようなものが考えられます。
大腸の内腔が狭くなると、便が押しつぶされるように細く出ることがあります。
代表的な原因として、
などが挙げられます。
特に、大腸がんは初期に便の形状の変化として症状が現れることがあるため、注意が必要です。
便が腸内を十分に進まず、水分が多く残ったり、腸の収縮がうまくいかない場合にも便が細くなることがあります。過敏性腸症候群(IBS)などの機能性の問題でも、このような便通の変化を引き起こすことがあります。
食物繊維不足や水分不足などによって便が硬くなり、通り道で押しつぶされて細くなることもあります。これは大きく見れば機能の問題ですが、生活習慣で改善できる場合も多いものです。
便が細い状態が続く場合、原因を調べるためには次のような検査が行われます。
症状の経過や食習慣、便通のリズム、家族歴などを詳しくお聞きします。
貧血や炎症、栄養状態を調べることで、病気のサインを確認します。
便中の血液の有無を調べ、大腸ポリープやがんなどの可能性を評価します。
大腸全体を直接観察する検査で、ポリープやがん、炎症性病変の有無を確認できます。必要に応じて組織を採取し、顕微鏡検査を行うこともあります。
治療は原因に応じて行われます。
食物繊維をしっかり摂る、適度な水分補給をする、規則正しい食生活を心がけることで、腸内環境が整い便通の改善につながることがあります。
腸の動きを整える薬や、便を柔らかくする薬を使う場合があります。機能性の問題がある場合は、症状に応じた薬が選ばれます。
大腸ポリープや大腸がんが見つかった場合は、内視鏡的な切除や手術、抗がん剤治療などが必要になります。炎症性腸疾患が原因の場合は、炎症を抑える治療を行います。
便が細くなる状態を予防したり改善したりするためには、以下のような習慣が役立ちます:
これらは腸内環境を整える基本であり、習慣化することで症状の改善につながることが多いです。
便が細くなった症状は、生活習慣による一時的な変化である場合もありますが、長く続く場合や他の症状(血便、体重減少、腹痛、便通の異常など)を伴う場合には、医療機関を受診しましょう。
特に大腸ポリープや大腸がんのような病気が隠れている可能性を早期に除外することは、安心につながります。不安な症状がある方は、ご相談ください。